本書は、愛の力で、社会に、自然界に、みなさん自身に、平和をもたらそうとする、非暴力平和運動家からの、本気の「愛の提言書」です。
『ラディカル・ラブ』のラディカルとは、根源的な、本質的な、という意味をもつ言葉。ですから、“ラディカル・ラブ”とは、愛の本質について問い直す、また、私たちの内にある愛を呼び覚ます、導きの言葉なのです。
紛争や気候変動の嵐の真っ只中に、私たちはいます。人々の暮らしやあらゆる生物のいのち、地球環境が危機に瀕していることは、誰の目にも明らかです。難局を前にして、このまま火に油を注ぎ続けるのか、それとも、火に水をかけ始め、新しい時代を再構築するのか、すべては私たちの自覚と行動に委ねられているように思います。
それぞれの立場を超えて、いまこそ、愛でつながり合うときです。
夢を抱き続けながら、世界中を無一文で歩き、愛を分かち合ってきた愛の体現者からのポジティブな“ことだま”を受け取り、彼と共に、愛の道をいきましょう。
私たちは、愛から生まれ、愛そのもの、なのだから。
さあ、愛しましょう! 地球を、人々を、自分自身を。
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『ラディカル・ラブ』
サティシュ・クマール著 辻 信一訳
出版社:SOKEIパブリッシング(ゆっくり小文庫)
発売日:2024年11月11日(月)
定価:1,900円+税
判型:四六判 272ページ
■プロフィール
著者 サティシュ・クマール
現代を代表するエコロジー思想家、非暴力平和運動家。『リサージェンス&エコロジカル』誌名誉編集長。「スモール・スクール」、「シューマッハー・カレッジ」の創設者。
1936年、インド西部ラジャスタン州生まれ。9歳で出家、ジャイナ教の修行僧となる。18歳のとき、マハトマ・ガンディーの社会的非暴力思想に魂を揺さぶられ還俗。ガンディーの非暴力・不服従運動の第一指導者ビノーバ・バーべの下で社会変革運動に加わり、「ソイル(土)・ソウル(魂)・ソサエティ(社会)」の三位一体の思想の土台を築く。1962年、友人のE・P・メノンと共に、ニューデリーから、当時4つの核保有国の首都モスクワ、パリ、ロンドン、ワシントンD・C・へ平和のメッセージを伝えるため、無一文、徒歩で、平和巡礼の旅を開始。2年半かけて、およそ1万3千キロの道を踏破、4カ国の首脳に“平和のお茶”を届けた。1973年、経済学者E・F・シューマッハーの呼びかけに応じイギリスに移住。環境、経済、科学、スピリチュアリティを統合したホリスティック思想の提言誌『リサージェンス』の編集長を43年間務めた。
1982年、イギリス・ハートランドに、「スモール・スクール」という中学校を創設、1990年にはイギリス・トットネスに「シューマッハー・カレッジ」を開校。優しくあたたかいまなざしと、力強いメッセージは、世界中の人々を魅了し、励ましを与え続けている。邦訳書に『君あり、故に我あり』(講談社学術文庫)、 『サティシュ・クマールのゆっくり問答with 辻信一』、『怖れるなかれ(フィアノット)愛と共感の大地へ(ビノーバ・バーべとの共著)』、DVDブック『サティシュの学校 みんな、特別なアーティスト』(以上SOKEI パブリッシング)、『エレガント・シンプリシティ:「簡素」に美しく生きる』(NHK 出版)、『ラディカル・ラブ』(SOKEIパブリッシング)などがある。
訳者 辻 信一
文化人類学者、環境=文化NGO「ナマケモノ倶楽部」代表、明治学院大学名誉教授、「ゆっくり小学校」“校長”。1952年生まれ。1988年、米国コーネル大学で文化人類学博士号を取得。1992年‐2020年、明治学院大学国際学部教員を務める。アクティビストとして、「スローライフ」、「ハチドリのひとしずく」、「キャンドルナイト」、「しあわせの経済」などのムーブメントを展開した。著書に『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社)、『ナマケモノ教授のぶらぶら人類学』、『ゆっくり小学校 学びをほどき、編みなおす』、『常世の舟を漕ぎて 熟成版』(以上SOKEI パブリッシング)、『ナマケモノ教授のムダのてつがく』(さくら舎)、最新刊『サティシュ先生の夢みる大学』(ゆっくり堂)などがある。