デヴィッド・スズキ『生命の聖なるバランス』

カナダで大ヒットとなった『The Sacred Balance』の邦訳。2003年刊行ですが、その中身は色あせることなく、デヴィッド・スズキが科学者の視点からわかりやすい言葉で語る自然界の理は、世代を超えて読んでほしい環境科学入門書。

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地球と私たちのからだは、地(土壌)・水・火(太陽エネルギー)・風の「四大元素」と「生物多様性」とによって織り上げられた、生命の聖なるタペストリー。

デヴィッド・スズキ著、柴田譲治訳
四六版、380ページ。
2003年、日本教文社刊行

■目次
《はじめに》
裸のサルから「超種」へ/疲弊した世界/解決への糸口/世界の見方を変える

《第1章・ホモ・サピエンス――地球に生まれて》
秩序を生みだす脳/世界観を紡ぎあげる/父なる太陽、母なる地球/コペルニクス的転回/異種間の腹を割った話/絆の切断/われわれが無知であることへの自覚/消費によって満足を得る/自然との絆を切り捨てる/新たな物語を求めて

《第2章・風――緑の息吹》
わたしたちは空気だ/呼吸のしくみ/万能接着剤としての空気/大気の起源/生命と大気の相互作用/生命を育む大気圏/放射線シールドとしての大気/すべての生物のための空気

《第3章・水――わたしたちの身体を海が流れる》
水循環/水分子アクアの一生/地球の循環システム/最初の洪水/バランスを保つ/水の不思議な性質/淡水の供給――地球上でもっとも稀少な水の形態/海洋 ――地球の気候の原動力/水の利用と汚染

《第4章・「土」から生まれて》
神聖なる土壌/土壌の隠された世界/土壌の起源/風化から生命へ生と死のバランス/土壌の「層位」/土壌から食物を得る/農業――人類進化の新たな段階/大地の古い教え

《第5章・聖なる「火」のエネルギー》
内なる火――代謝活動/「外なる火」を手にする/プロメテウスの火/身体深部の火/生命あれ(あるいは最初の一閃)/エネルギーを探しまわる/気前のいい太陽/過去からの遺産/火と戯れることの危険

《第6章・生命の絆に守られて――第五の元素「生物多様性」》
生と死――つながり合った双生児/全生命の相互のつながり/人間の五感を超えた世界/なぜ生物多様性が重要なのか/分子レベルの設計図/遺伝的な多様性を讃えて/変異の重要性/多様性がもたらす生態系の安定性/人間の文化多様性/超個体としての生物/ジェームズ・ラヴロックとガイアの概念/地球と人間との新しい関係/大規模な絶滅の危機/生命の織物を保全する/本当の幸せとは?

《第7章・「愛」という自然の法則》
もっとも重要な条件――愛という要素/家族を越えて社会へ/惨事から学ぶ教訓――愛の欠乏/人間の共同体の過去と現在/都市で途方にくれる人々/バイオフィリア――進化的なつながりを回復する/心理学と生態学の融合――エコサイコロジー/愛が人間をつくる

《第8章・聖なる物質――自然にやどる精神性/霊性》
精霊の生きる世界/精神と霊性の疎外/楽園への帰還/生態学的な世界観/語りかける精神・霊/精神/精霊の力によって生きる/経済的価値を超えて

《第9章・聖なるバランスの回復へ》
わたしたちに何ができるのか?/まとまれば圧倒的な力になる/地球サミットを人々の記憶に刻んだ、ある子供の講演/イアン・キアナンと運命のヨットレース/建築家の新しい姿――ウィリアム・マクドナー/ケニアの森林再生のために――ワンガリ・マーサイ/カール=ヘンリク・ロベールとナチュラル・ステップ/生物多様性を擁護する――ヴァンダナ・シヴァ/マングローブで地球を再森林化する――向後元彦/ムハマド・ユヌスと「グラミン銀行」の取り組み/聖なるバランスへの変革
販売価格 2,000円(税込2,200円)
定価 2,200円(税込2,420円)

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