著者:中村隆市+辻信一/発行:ゆっくり堂/B5版、207ページ
スロービジネススクールの校長 中村隆市のスロービジネス哲学を全面展開。話し相手は、ナマケモノ倶楽部設立の仲間・辻信一。
★目次
序 松下竜一さんのこと
第 1 章 有機農業を志す
第 2 章 ビジネスを起こす
第 3 章 カルロスさんとスロービジネスをつくる
第 4 章 フェアトレード論
第 5 章 スロー・ムーブメント
第 6 章 ぼくらの起業
第 7 章 スロービジネス論・1暮らしとしてのビジネス
第 8 章 スロービジネス論・2 人間らしい仕事
第 9 章 スロービジネス論・3快楽としてのビジネス
おわりに 中村隆市
はじめに 辻信一
スロービジネスという言葉を公に使ったのは、ぼくが最初だっと思うんですけど、それは本当に冗談半分みたいな言葉なんです。ビジネスとスローという言葉は、一種の矛盾語法の関係にある。ビジネスというのは、busy-ness、忙しいという意味です。そして、スローはゆっくりで忙しくないという意味。英語でビジネスがスローと言えば、それはビジネスが振るわないとか景気が悪いという意味です。だから、スロービジネスなんていう言葉をまじめに使う人はたぶん、英語圏にはいません。スローフードも変な表現ですが、スロービジネスはもっと変なんです。まあ、しかし、それだけ独創的だとも言えるわけです。
ではこの言葉にどうやって行き着いたのかというとを思い出そうとすると、それは中村隆市さんという心優しきビジネスマンとのおつき合いの中から生まれたとした思えない。
これから展開される2人の対話の中で、この言葉が生まれてくる過程を振り返る ことができたらいいな、と期待しています。その場合に手がかりになるのは、ぼくが中村さんに出会った頃に「こういうビジネスもありなんだ!」とビックリしたり感動したり、「スロー」というコンセプトについてぼくと何日もかけて、ああでもないと議論したり。中村さんは本当に変なビジネスマンです。この人と読者の方々に出会っていただきたいというのが、この本の大きな目標です。
さて、この対話をはじめるにあたって、まず、中村さんがどんな風にしてビジネスをやるようになったかというはじめのところを、ぼくとしてはしっかり理解しておきたい。ビジネス、もっと言えば仕事というものの全体。これをとりまく日本の雰囲気はとっても悪いもので、中村さんほどの思想にビジネスをしている人をあまり見たたことがない。「私はビジネスが好きなんです」と彼が本当にうれしそうに言う時、ぼくらはしまい込んだまま忘れていた素敵な宝物を引き出しの奥から見つけ出したような気持ちになります。
さあ、中村さんからじっくり話を聞いていきましょう。ぼくも遠慮せずにしゃべりますよ。2人の対話の中でスロービジネスの可能性がどんどん広がっていけばいいなあと、ワクワクしています。
老子が言っていました。
社会の駒のひとつである自分は
いつもあちこち突き飛ばされて
前のめりに走っているけど、
そんな自分とは
違う自分がいると知ってほしいんだ
ぼくも、あなたも、その「違う自分」と出会えますように。
販売価格 |
1,000円(税込1,100円)
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定価 |
1,050円(税込1,155円) |